オーウェルの未公開日記をたどる新作ドキュメンタリー 『1984』の警告をAI時代に重ねる

ドキュメンタリー映画『オーウェル:2+2=5』が10月30日に台湾で公開される。『私はあなたのニグロではない』で知られるラウル・ペック監督が、ジョージ・オーウェルの未公開の日記や書簡、歴史資料をたどり、『1984年』と『動物農場』の警告を現代のAI生成映像や政治宣伝、情報戦に重ねる。
作品は、オーウェルが『1984年』を執筆した晩年を軸に、手稿や映像、歴史資料を組み合わせる構成。ハイチの文化相を務めた経験もあるペック監督は、伝記映画でよく使われる専門家インタビューの形式を避け、オーウェルが5年間暮らしたミャンマーにも赴いて撮影したという。
監督は、映画が特定の政治家を批判するのではなく、恐怖や言葉の改変、情報封鎖を通じて権力が人々の現実認識を書き換える仕組みを問いかけると説明。若き日のオーウェルがミャンマーで植民地警察を務め、スペイン内戦も経験したことを、全体主義を描いた作品の背景として取り上げる。