『ソーシャル・レコニング』と『アーティフィシャル』 ハリウッドが描くIT業界の権力

ハリウッドで、シリコンバレーの企業や経営者を題材にした映画が相次いでいる。成功を導いた革新者として描く物語から、技術がもたらす影響や企業の権力を問う作品へと、視線が移りつつある。
北米で10月9日に公開された『ソーシャル・レコニング』は、2010年の『ソーシャル・ネットワーク』に続く作品。アーロン・ソーキンが脚本・監督を務め、ジェレミー・ストロングがマーク・ザッカーバーグを演じる。2021年に元Facebook社員フランシス・ハウゲンがアルゴリズムの問題を告発した出来事を軸に、若者の精神的健康などへの影響を知りながら対応を怠ったプラットフォームの責任を描く。
AI企業の内幕を描く新作も
12月公開予定の『アーティフィシャル』は、2023年のサム・アルトマン氏のOpenAI CEO解任と復帰を題材にする。ルカ・グァダニーノ監督のもと、アンドリュー・ガーフィールドがアルトマン氏を演じ、イリヤ・サツケバー氏やイーロン・マスク氏らAI業界の人物を描く。経営権や技術の管理をめぐる対立を通じて、理想を掲げる企業の内側にある力関係を見つめる内容だという。
配給を予定していたAmazon MGMスタジオは、AmazonとOpenAIの提携後、主要人物の描写が否定的すぎるとして配給を取りやめた。その後、独立系のNEONが配給権を得て公開を進めている。SNSとAIという別々の題材を扱う2作品が、技術の発展を誰が担い、誰が責任を負うのかを問いかけている。