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釜山国際映画祭のAI献呈曲、レッドカーペットを沸かす 創作の境界も議論に

第31回釜山国際映画祭の開幕レッドカーペットで、俳優や監督の名前と作品の特徴を盛り込んだAI生成の献呈曲が流れた。開幕式を演出したミン・ギュドン監督が歌詞を書き、生成AIを使って来場者ごとの曲を作ったという。驚きながら笑う俳優や、音楽に合わせて踊る出演者の姿が話題になった一方、映画祭でAIをどう扱うかという問いも浮かび上がった。

名前と作品を織り込んだ歓迎の曲

ミン監督は、式典のレッドカーペットを単なる入場の場ではなく、音楽で映画人を迎える時間にしたいと考えた。前年に続けてハウスDJの演出を取り入れ、今年はゲスト一人ひとりの名前や作品に触れる曲を挟んだ。記事によると、シム・ウンギョンは驚いた表情を見せ、リュ・スンリョンらは曲に合わせて踊った。是枝裕和監督も自分の名前の曲が作られた体験を喜び、頭に残ると話した。

現場を祝祭らしくした、ゲストが楽しそうだったという好意的な声がある一方、AIらしさが目立つ、映画祭の重みが薄れる、曲が作られない人との扱いに差が出るのではという意見も出た。演出の新鮮さと、誰をどう歓迎するかという配慮の両方が話題になった。

映画祭フォーラムで分かれた見方

釜山国際映画祭は「AI以後のシネマ:映画は誰が作るのか」をテーマにフォーラムを開催した。映画監督の賈樟柯は、AIの到来を止めることはできず、創作現場で人間がどんな位置を占めるのかを考える必要があると述べた。人間の著作権や映画産業で働く機会を守る規則づくりにも触れたという。

一方、俳優のファン・ビンビンは、AIを制作費の削減に使う可能性に触れながら、人が演じることで生まれる感情や人生経験に根差した表現は置き換えにくいとの考えを示した。ミン監督も、生成AIを使うかどうかだけでなく、誰に何を伝えるかを決める人間の判断が重要だと話している。

応募作の動きを見て基準を検討

映画祭のチョン・ハンソク執行委員長は、現時点ではAIを使った出品作に、質や数の面で大きな傾向は見えていないと説明。今後の作品数や内容を見守り、必要に応じてガイドラインや審査基準を設ける考えを示した。

韓国映画振興委員会が紹介した2026年のフォーラム案内でも、AIと創作、制度と政策を主題に掲げている。レッドカーペットの演出は技術を祝祭に取り込んだ一例だが、作品の評価や権利、働く機会に関する課題は別に検討が続く。映画祭が次の段階でどんな基準を形にするかが注目される。