トム・クルーズ主演『ディガー』、大胆な挑戦と興行の苦戦が交差

トム・クルーズが主演する映画『ディガー』が、作品への評価を集める一方で興行に苦戦している。韓国では公開初日に興行ランキング7位で始まったものの、約10日後にはトップ10圏外となり、累計観客数は7万7000人にとどまったと韓国メディアが報じた。
『レヴェナント:蘇えりし者』などで知られるアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督とクルーズの組み合わせに加え、見慣れたアクションスター像から離れた姿も話題を呼んだ。しかし、期待された注目が観客動員には結びついていない。
異色の風刺劇が観客を選ぶ
物語は、石油王ディガー・ロックウェルがグリーンランドの氷河掘削施設で起こした亀裂をきっかけに、世界規模の危機が広がるというもの。政治や資本主義、気候変動を風刺し、劇中劇の趣向や誇張した喜劇性を織り交ぜている。
クルーズは外見も話し方も大きく変え、貪欲な権力者を滑稽に演じた。韓国での観客評価は好調とされる一方、誇張された演出や複雑な展開、政治風刺の直接さには好みが分かれたという。評価する声があっても、幅広い観客を劇場へ呼び込む難しさが表れた。
北米でも厳しいスタート
AP通信によると、北米での公開初週末の興行収入は800万ドルで、海外74市場の合計も1200万ドルだった。製作費は少なくとも1億2500万ドルと見積もられ、宣伝費も別途かかると報じられている。
大作の規模やスターの知名度だけでは、作品の挑戦を観客の選択につなげられなかった『ディガー』。批評と興行のどちらか一方だけでは測りきれない反応が、異色作の難しさを浮かび上がらせている。