『泥面人』ジェームズ・ワトキンス監督、高層都市と路地の光で描く「身体の恐怖」
DC映画『泥面人』(原題『Clayface』)でジェームズ・ワトキンス監督は、主人公の心の闇が顔の傷や変形として表れる物語を、街の景色にも重ねた。超ワイド画面と70年代風のアナモルフィックレンズを使い、人物と空間の距離を大きく見せることで、身体が変わっていく恐怖を際立たせたという。
舞台となるゴッサム・シティには、30年代のドイツ表現主義映画や、1980〜90年代のニューヨークの街頭写真を参考にした。高層ビルの間を歩く人々を小さく見せる一方、ネオンが濡れた路面に映る路地には美しさと荒廃を同居させる。撮影ではリバプールの実際の街並みも活用し、スタジオセットだけに頼らない生活感を加えた。
ワトキンス監督は、映画館へ足を運ぶ理由は大きなスクリーンだけでなく、観客同士で驚きや嫌悪の反応を共有できることだと語る。身体ホラーの生々しい映像を集団で体験し、上映後に高揚感を持ち帰ってほしいという。