イプセン『民衆の敵』を現代に SNS時代の『エネミー』と『アンチピープル』上演へ

ヘンリク・イプセンの戯曲『民衆の敵』を現代的に読み替えた2作品が、ソウルで相次いで上演される。セジョン文化会館のソウル市劇団による『エネミー』は10月26日から11月14日までMシアターで、ヤンソンプロジェクトの『アンチピープル』は11月20日から29日までLGアートセンター・ソウルのU+ステージで公演する。
1882年発表の原作は、温泉町の水質汚染を明らかにした医師トマス・ストックマンが、地域の経済的な利害と衝突し「民衆の敵」と名指しされる物語。真実と世論、個人の信念と多数派の利益がぶつかる構図を、2作がそれぞれ異なる形で現代に移す。
『エネミー』はスコットランドの劇作家キーラン・ハーレイによる翻案をもとに、SNSとリアルタイムの世論が広がる社会を描く。男性医師だった主人公は活動家出身の女性カーステンに、兄弟間の対立は姉妹の争いに変わり、印刷業者は地域の有力ユーチューバーとして登場する。カーステン役はムン・ソリとイ・ボンリョンがダブルキャストで演じる。
『アンチピープル』は、ヤンソンプロジェクトが2027年まで3年をかけて上演する「イプセン三部作」の第2作。原作の設定を軸に、政治や資本、メディアなど社会を動かす利害に目を向ける。4人の俳優がストックマン博士から市長、記者、市民まで数十役を演じ、「誰が人々の輪の内側に残り、誰が外へ押し出されるのか」を問いかける。