マレーシア民話「サン・カンチル」が児童ミュージカルに Nawfal Zamriが家族の物語へ再構成
マレーシアの演出家Nawfal Zamriが、民話の主人公サン・カンチルを描く児童ミュージカル『Pengembaraan Sang Kancil』を手がける。公演は11月13日から15日まで、クアラルンプールのIstana Budaya内Panggung Sariで開催予定。昔話の形をそのままなぞるのではなく、音楽やユーモアを交え、今の子どもたちに届く舞台へ作り直す。
マレー民話のサン・カンチルは、小型のマメジカを主人公とするキャラクターで、知恵を使って強い相手を切り抜ける物語で知られる。今回の作品では、外の世界を知りたいカンチルが父親に反対されて家を出て、森で迷う。さまざまな出会いを経て、家族の愛情や身近な人との関係を見つめ直す筋立てだ。Nawfalは、教訓を一方的に語るのではなく、主人公の経験を通して家族の大切さを伝える考えを示している。
子どもたちの舞台経験と、生演奏の音楽
子どもキャストは、8歳から12歳までの応募者140人による8月のオーディションから46人を選出。約2カ月の集中稽古で、演技や歌、発声を磨いてきた。サン・カンチル役はAhmad Zaid Ahmad Zaha、父親役はIedil Dzuhrie Alaudin、母親役はAsmidarが務める。
Ayop Azrilが書き下ろした16曲を、マレーシア伝統オーケストラと国立交響楽団の弦楽器部門から参加する計36人が生演奏する。舞台美術や衣装、小道具には、マレーシアの植物や動物を題材にしたバティックの模様も取り入れる。物語、音楽、地域の意匠を重ね、子どもたちが民話と舞台芸術の両方に触れられる作品を目指す。