杜甫や李白が現代の悩みを歌うAI曲『過来人』 制作者・王琨喆が語る創作の軸

杜甫や李白ら歴史上の人物が、家探しや仕事の苦労など現代にも通じる思いを歌うAI楽曲『過来人』が話題を集めている。新浪娱乐のインタビューで、制作者の王琨喆は、10月22日夜時点でMVの全プラットフォーム再生数が1億2000万回を超えたとする関連集計を紹介。楽曲は約4分41秒で、杜甫、蘇軾、劉邦ら10人の人物を登場させた。
古人の経験を、今の言葉で届ける
王琨喆はテレビ局で3年間働いた後、個人スタジオを立ち上げ、商業映像やイベント撮影を手がけてきた。2022年からAI技術を試し始め、歴史上の人物がラップで掛け合うシリーズ「古人開麦」を制作。『過来人』では、杜甫の住まいをめぐる苦労、蘇軾の浮き沈み、劉邦の遅い出発と不屈の気持ちを、それぞれのパートに重ねた。
若い世代や歴史、ラップに関心のある人を想定していたが、反響を分析すると、中心となる視聴者は31~40歳だったという。王琨喆は、古人を教科書や神壇上の存在ではなく、現代の人と同じように人生を乗り越えてきた人として描きたかったと話している。
物語の骨格は本人が決め、AIで試行錯誤
歌詞の構成や人物の選定、作品の基礎となる発想は王琨喆自身が担い、史実の確認や歌詞の韻の候補出し、歌声や旋律の生成などでAIを活用した。生成した複数の曲を編集で組み合わせ、楽器や編曲も調整。王琨喆はAIを使えばすぐ完成するわけではなく、どの表現を残すかは自分で決めたと説明している。
『過来人』を心を慰めるだけの作品と捉える見方には、本人は「高いところから誰かに教える資格も能力もない」と応じた。歌に込めたのは、自身の経験や周囲の人々への観察であり、聴き手と同じく生活の中を歩く一人としての思いだという。今後も「古人開麦」を続けながら、同じ型を繰り返さない新しい曲調や表現を探す考えを示した。