藤井道人監督週刊ニュース(10月19〜25日)|10月19日終了時点
対象期間は2026年10月19〜25日です。この記事は10月19日終了時点までに掲載された報道をまとめています。来韓中の藤井道人監督が語った俳優との長い協業、新作の撮影設計、今後の活動について振り返ります。
横浜流星との10年以上の縁から生まれた新作

藤井道人監督は10月19日のインタビューで、映画「그대, 별처럼」(韓国公開題)で主演する横浜流星とは10年以上一緒に仕事をしてきたと説明。二人の関係を韓国映画界のイ・チャンドン監督とソル・ギョングの組み合わせになぞらえた。
ヨコハマが先に映画化を提案し、主人公カイを演じて物語を今の観客に届けたいと望んだことが、監督を引き受ける後押しになったという。藤井監督は、俳優であり友人でもある彼の思いを実現したかったと語った。凪良ゆうの小説を原作とする本作は、ヨコハマと広瀬すずが主演し、二人の15年にわたる歩みを描く。韓国では10月28日公開予定と報じられた。
「30代最後の作品」に重ねた三つの撮影表現

藤井監督は本作を「30代最後の作品」と位置づけ、20代からの映画づくりの経験を込めたと話した。原作をそのまま映像化するのでなく、登場人物の人生や感情を積み重ねることを意識し、ヨコハマの後ろ姿から二人の15年を始める構想を得たという。
映画を三つの章に分け、第一章は以前から使ってきたキヤノンEOS 7D、第二章はARRI ALEXA、第三章は35ミリフィルムで撮影。フィルムの一度きりで時間が戻らない性質を、登場人物たちの関係に重ねた。花火や「暗闇の星」のイメージにも人生のはかなさを託したと説明している。
過剰な攻撃と「セカンドチャンス」の少なさに懸念

作品を選んだ背景として、藤井監督は日本社会で正しさや社会常識に縛られ、人がオンライン上で見えるイメージだけから判断される風潮を挙げた。失敗した人に「セカンドチャンス」が与えられにくく、一部の印象が公的なイメージとして固定される場合があると指摘した。
人同士が関係を築けば衝突や失敗も起きるが、それを恐れて対話やつながりが失われれば孤独につながる、というのが監督の見方だ。「必要以上に誰かを攻撃すること」を懸念し、創作者として自身も攻撃を受ける側だと述べたうえで、相手の背景や人生を理解してほしいと語った。
数年間は日本で映画を撮らず、アジアの仲間との制作を希望

藤井監督は、今後数年間は日本で映画を撮ることはなさそうだと明かし、日本映画の監督依頼があっても現在は受けていないと説明した。撮りたい作品、撮るべき作品を考え直し、周囲の環境を整えるために立ち止まっている時期だという。これは本人が語った今後の意向であり、確定した休業期間の告知ではない。
幼少期を米国で過ごし、祖父が台湾出身という背景にも触れ、日本への愛着と誇りを持ちながら、自身をアジア人と考えていると語った。映画を通じて国や言語を越えた人々と出会えたことを幸運に感じ、今後は他国の俳優やスタッフ、とくにアジアの映画人と作品を作りたいという。映画やドラマなど複数の企画も進めていると述べた。